本章では、前章と引き続き、職歴書を記載する際のコツや注意点を、実例を交えご紹介していきます。

■昇進や異動について

昇進や異動により、環境・立場が変わる経験も大事な要素です。会社から何が評価されたのか、どんな理由で異動し、何を得たのかをしっかり記載しましょう。

例えば、「入社5年目で、あるプロジェクトのリーダーを任されました。新たな検索エンジンシステムを作り上げるというプロジェクトです。メンバー5人と共に役割分担をして目標通り半年で検索エンジンの構築に成功しました。それが評価され、同期では最速で昇進へと繋がりました。」という内容です。

本人が「結果を残した」といくら主張しても、読み手側は「会社にとってどれほど評価に値するのか?」は分かりません。しかし、そこに昇進や栄転などが加われば、その仕事の会社での価値が読み手側も理解する事が出来ます。

■職務範囲のアピール

営業や企画、財務などのように、通常は自分の役割は決まっています。しかし、会社としての理想は「マルチに何でも出来る人材」です。勿論、自分の職種があり、大きな軸として一つの職種が重要ですが、他の職種にも影響を与える事が出来たり、他の職種を経験したことがあったらキチンと伝えましょう。

例えば不動産ディベロッパーで「営業をやりながら業務課の仕事も兼任していた。具体的にはマンションの営業をしつつも、契約書類の作成や資金管理などの裏方の仕事も兼任していたので、キャッシュフローや売った後のお客様のフォローも経験できた。」などの内容です。やはり裏方の仕事も理解しているという柔軟さと、自分の領域以上の仕事をするという姿勢が企業にとっては印象が良い要素となります。

■転職を通じて経験した事

転職回数が多い事は、一般的にはマイナス要素と思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。そこでの経験の豊富さを語る事が出来れば、むしろプラスに働く事さえあります。

例えば、「コンサルティング会社→小売店の販売→マーケットに特化したシンクタンク」のような転職歴があるとします。

その時に「一社目のコンサルティング会社では、財務系のコンサルだったので、企業のキャッシュフローと改善方法を学びました。二社目では、実際に現場マネージャーとして、商品の仕入れ、コスト管理、接客対応のスキルを学び、三社目ではその裏方と実務を活かして商品のマーケティングをしています」という内容です。

全ては繋がっていて、法人も個人も相手にしたことがある上に、財務の知識もコスト管理も、接客などのラインも経験をしているというのは強い武器になります。

他にも会社毎にシステムが違うので一から覚え直す適応力や応用力なども評価されることがあります。

■実績や成果など目に見えるものでない能力について

数字などの目に見えない能力である「コミュニケーション力」などについてです。勿論、ほとんどの会社、職種が他の人と共同で仕事を進めますし、基本的には取引先がいます。従って、コミュニケーション能力は大事なのですが、その能力は職歴書から読み取るのは非常に困難です。それをアピールしたい場合は仕事の経験にキチンと盛り込むしか方法はありません。

例えば、飲料メーカーのルート営業の場合。「各店舗を毎日1回以上まわって、店長から信頼を得られるよう努力しました。そのお蔭で、色々な店長から家族ぐるみの付き合いもして頂いて、仕事を越えた関係にまで信頼関係を構築できました」などです。

勿論、その結果数字を計上でき、表彰出来たり、昇進の決め手となっていれば尚良いですが、特に対法人相手で信頼を勝ち取る経験は、汎用性があり、自分の強みが明確になっているケースが多いので、他社でも武器になる事が多いです。