今までの章を忠実にこなすと、自分の軸が明確になり、なりたい自分が実現できる業界や会社が分かり、それらに沿って情報収集を行っているところだと思います。
その後は、いよいよエージェントとの面談になります。別の章でも少しお話をしましたが、基本的にエージェントと話す機会はそう多くはありませんので大事にしなければいけません。
特に最初の面談で、いかに自分の希望を明確に話せるかによって、求人の質が変わってきますので、しっかり準備をしておきましょう。
今回はそんなエージェントとの面談の前にしておくことがテーマとなります。
軸の整理
「なりたい自分」という軸の整理をもう一度しましょう。
ここで言う「整理」とは、自分だけではなく、相手に語ることができるまで精査をするという事です。長い時間をかけて考え、自分の軸を導き出したので、そのプロセスを全て知っている「自分」は理解出来ていると思います。
しかし、それは膨大な時間をかけて思考した時間があるからこそ、結論にたどり着いたのです。相手に伝える時はそのプロセスも完結に話す必要があります。
面談時間は1~2時間で、自分の事を語る以外にも、最近の転職市場の話や、希望業界の話など、転職するにあたり大事な話がたくさんあります。それらを全て1~2時間で網羅できるよう、もう一度自分の軸を整理しましょう。
整理の仕方は簡単です。「あなたが大事にしている事は何ですか?」「そう思う根拠は何ですか?(経験則から答える)」この2つの質問に完結に答える事です。
一度、この2つの質問を自分に問いかけてみましょう。軸が明確になっているはずなので、答えられるとは思いますが、意外と長々とした文章になると思います。それを文字に起こし、いらない単語は切り捨て、分かり易い表現に校正しましょう。
事前に伝えておくこと
「1.エージェントとの上手な付き合い方」の時も少し触れましたが、事前に気になる点はメールか電話で伝えておきましょう。
エージェントによって得手不得手がありますので、「○○の業界は詳しい」や「○○歳の方の求人情報には強い」など、会社や業界、そして転職希望者のプロフィールによって個人差があります。
だからこそ、エージェントにも周りの力を使ってもらえるよう、事前に伝える必要があるのです。
特に注意しておくべき点を以下に列挙します。
- 異業界へ行くなら、今の業界と希望の業界を伝え、年齢と業界の壁をヒアリング
- 今のプロフィールで転職が厳しい会社、業界
- 昨今の転職事情。特に希望の業界について
- 職種の壁はあるか否か。今の職種を伝え、希望職種を伝えておく。また、もし希望職種への転職が難しい場合は希望職種に近い別の職種があるかどうか。
- 勤務地の絞り込みがあれば伝えておく
- 収入の絶対的ラインがあれば伝えておく
- 転職したい時期が明確にあれば理由と一緒に伝えておく
ご覧いただいている通り、希望があれば全て伝えるという事です。特に勤務地や年収など「最初の面談でここまで伝える必要はないかな」と思わずに希望があるなら伝えるべきです。
希望を明確に伝えれば伝えるほど、求人情報は良い意味で絞られてきます。
そして、希望を事前に伝え理由を明確にしておけば、代替案を出してくれるかもしれません。例えば「勤務地の話を伝えておけば『エリア正社員』という選択肢が増える」、というようなイメージです。
軸が明確になっている今であれば全てに対して根拠が付けられるはずです。
最後に
このように軸をもう一度整理し、相手に伝えられるまで校正しましょう。そして、軸を思考する過程で出てくる希望を、相手に全て伝えておきましょう。
なぜなら、自分にとって不要な求人が減り、転職活動の効率が良くなるのと、エージェント側もそれらを加味して資料や情報を持ってきてくれるので、よりより転職活動へと繋がるからです。
「1.エージェントとの上手な付き合い方」の内容も合わせて理解しておきましょう。この1章の時は、広く浅くのイメージでお話しをしました。
しかし、本章では「自分の軸」を思考している前提なので、より自分がエージェントに聞きたい事が明確になった事により、「深く」疑問を掘り下げられると思います。
エージェントの面談に行くまでには本章と合わせて1章も見ておき、万全の状態で臨みましょう。