本章では、前回に続いて「会社での立ち居振る舞い」についてお話をします。前回は、転職とは会社にとってどれだけの痛手になるかのお話をしました。今回は、それを踏まえた上で具体的な注意点をお話ししていきます。

■エージェントとの連絡について

最も注意すべきはエージェントとの連絡方法です。勿論エージェント側から会社に直接電話をかけたりはしません。しかし、転職活動に関してサイトに登録しているメールアドレスが会社用であったりすると、エージェントからの連絡は当然会社にきます。

稀に、会社のメールアドレスと承知の上で登録する方がおり、その方は「会社や上司とは友好的な関係だから、別に転職活動が周りに知られても問題ない」と思っているケースがあります。これは前章の理由によって非常に危険ですので、会社ではなく個人のメールアドレスを登録しましょう

電話などの連絡も「○○時以降にして欲しい」などの要望があれば遠慮なくエージェントに伝えてください。

■無暗に転職活動をしている事を言わない

特に若い年次の方に多く見られますが、無暗に転職活動をしていることを周りには言わないようにしましょう。親しい同僚などにも出来るだけ言わないようする方が賢明です。言うとしても「活動中」ではなく「少し考えている」くらいに留めておいた方が良いでしょう。

何故なら、転職活動を経て「転職しない」という事も十分に考えられますので、もし転職しなかった時には「転職活動をしていた」という事実は、会社にとってあなたを評価する時に、決して良い材料ではないからです。

ただし、信用している上司には「少し考えています」くらいのトーンで相談してみるのは良いかもしれません。上司と話す事によって、考えが良い意味で変わることもありますし、その上司があなたを取り巻く環境をいい意味で変えてくれるかもしれません。それに、もし本当に転職をするとしたら、その話がスムーズに伝わります。

■会社が下す判断

本来異動や昇進については「業務成績」を第一の基準にするべきですので「転職」による異動などは本質的ではありません。転職活動が一般的になってきた今ではあまり見られませんが、昔は転職活動をした人間を、見せしめのために明らかな冷遇をすることさえありました。但し、会社が下す決断は、勿論会社にもよりますので、一概には言えません。ですので、この項は参考程度にお読みください。

会社によっては転職活動を本格的にしている事が分かったら面談を実施する事があります。その面談で状況を聞き、実際に転職活動が進んでいたら、その後の人事異動で他部署へ異動などのケースも考えられます。左遷の意味ではなく「もしかしたら、今の環境を変えることにより、転職をしないという決断を下してくれるかもしれない」という判断であることもあります。

例えば、今転職をしたいと思っている方に「では、今の会社で好きな上司の下で好きな仕事内容を選んで良いですよ」と言われたらどう思うでしょうか。大半の人は「それなら今の会社に残るのも有りかもな」と思うと思います。

この事が物語っている事実は、転職理由として「会社が嫌だ」や「○○がやりたい」という気持ちよりも、「今の環境が嫌だ」というケース、もっと言うと「周りの同僚や、上司、仕事内容が嫌だ」というケースが多いからです。それだけ、周りを取り巻く環境が変われば自分の意志が変わるということです。

■まとめ

いかがでしたでしょうか。特に前章では「転職するという事は会社にとって大きな痛手である」という事をしつこいくらいに話ました。

ここで、一点注意点ですが、転職は勿論罪な事ではありません。誰しもに平等に与えられている職業選択の自由ですので、転職すること自体に全く問題はないという点はご認識ください。但し、そう気軽に「転職活動をしている」という事を言わない方が良いですし、言う必要がないという点はご理解頂ければ幸いです。